アジア

シンガポールは忙しくて、つまらない国なのか?

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シンガポールと言えば、純正競争国家、弱小資源国家、教育大国、多くの外資系企業によるアジアヘッドオフィスが設けられている国。

最近では観光立国も目指してカジノやリゾートの整備にも余念がない国。

かなり小さな国であるにも関わらず、多くの観光客を迎え入れるキャパシティと、一人当たりGDPの高さは日本以上のものがあります。

僕は今までに3回ほどシンガポールを訪れました。

そのうちの2回は、ここシンガポールで開催されたサッカー日本代表の国際試合を観戦するというもの、残りの1回はAirbnbでお世話になった、インド人経営者と会うために。

滞在日数では合計10日以上2週間以下といったところです。

ふと疑問に思うことが多々ありました。

シンガポールで暮らす人々は幸せなのか?ということです。

なぜこのような問いかけが頭に浮かんだかというと、シンガポールであった人、もしくはシンガポール以外の場所で出会った人々は一様に言うのです。「あの国はとてもせわしない。」

今回の記事では僕が出会った3人の人物(日本人、インド人、シンガポール人)の話を基本に、僕が感じたシンガポールの様子をお届けします。

Airbnbでお世話になったインド人経営者の話

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「シンガポールは本当にbusy(せわしない)な国だ。正直言うと俺はあまりこの国が好きではない。」

僕はAirbnbを通じて彼と出会いました。

チキンライスや中華系のお土産屋以外、あらゆるものの値段が高いと感じられる国、シンガポール。

彼がAirbnbで公開していた物件だけはひときわ手ごろ感あふれる金額でした。

貧乏旅行に慣れていた僕は彼の物件を探し当てた時には歓喜したものです。

しかし、一回りも安い物件でしたので、オーナーである彼の対応はどんなものか気になりました。

その不安は彼のきめ細かい対応により杞憂に終わることが後に証明されます。

彼は僕のAirbnb経験における最も優しく親切なホストの一人でした。

彼はシンガポールで海運会社を営むインド人。

シンガポールでの生活も短くはなく、会社の規模も年々大きくなっているとのこと。

そんな彼にとってシンガポールはビジネスをする上でいい環境であり、自身の夢を樹立させた国としての思い入れがあるのではないか?

そう考えた僕でしたが、彼の反応はそれを裏切りました。

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「正直シンガポールはビジネスをするには悪くない。でも俺はこの国があまり好きではない。」

「この国は合理的なのは間違いない。政府はクリーンで人々は秩序正しい。」

「でも、この忙しなさや、人々の様子はどうしたものだろう。俺はやっぱり好きになれない。」

そう話した彼は故郷インドの様子を話してくれました。

「インドは確かに貧富の格差はあるけれど、やはり贔屓目で見てしまう。家族の温かさや人々のバイタリティにこそ、俺は自分の居場所であると思えるんだ」

「ちょっとこの動画を見てくれないか?」

「まあ、こんな様子だから、毎日電車の中で死者が出るのも分かるだろ?すごい国だろ?」

「これを見るとお前はビックリするかもしれない。でも俺はこんな故郷が好きなんだ。シンガポールなんかと比べ物にならない。」

僕はわかりませんでした。

シンガポールにはインドのムンバイのようなこんなカオスとは縁がないどころか、人々はみなそれなりの生活水準を享受している。

しかも彼は自分の夢である、海運業での立身も果たした国、それでも、彼にとってはこのシンガポールはどうしても好きになれないようです。

シンガポールで出会った日本人美容師の話

「シンガポールではチャンスをつかみに来た。僕はここで一旗あげるつもりだ。」

何度かのシンガポール旅行で、とある美容師と出会いました。

彼は日本人美容師ながら、シンガポールの高級ショッピングモール内で腕を奮う「高給」美容師の一人。

「僕はここに来るのにものすごく大きな決意とものすごく大きな試練と戦った」

「いまは(2014年当時)シンガポールで日本人オーナーの経営する美容室でお世話になっているよ。もともと僕は日本の普通の美容師だったんだ。」

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シンガポールによくあるホーカーズという食堂街

そういう彼のもとに一本の電話がかかってきました。それに流暢な英語で対応する彼。電話が終わると、再び話はじめてくれました。

「僕は旅行でマレーシアとシンガポールに訪れた。シンガポールを観光中に、なんでも日本人の経営する美容室があると聞いて、興味が湧いたから思い切って訪問してみたんだ。そこでいまの雇用主と出会ったんだ」

「試しに切ってみるか?そう言われた僕は急遽そこで1日美容師を務めたんだ。するとオーナーがこういったんだ。シンガポールで働かないか?ってね」

「このとき、僕は結婚を考えていた彼女との旅行中だったんだ」

「そのなかでの出来事だ、彼女は真に受けてはいなかったかもしれない」

「しかし日本に帰ってからも僕は悩んだ。こんなチャンスは二度とない」

「僕の希望を彼女に相談してみたけども、やはり彼女は反対したよ」

「僕は自分の希望を彼女に押し付けるわけにはいかないし、彼女にいやいや来てもらうのもいやだった」

「だから親御さんとの顔合わせも済ました状態だったけど、別れたよ(笑)」

もうシンガポールに来て1年あまりが経過していたという彼。

「もう英語が、つらすぎたよ(笑)」

「でもとにもかくにも英語を話せないとこの国ではやっていけないし、自分の会社をもつのもかなわない」

「僕がシンガポールに来たのは、ここでチャンスをつかむため、一旗上げるためだった」

「だから必死に、もう命をかけて取り組んだといってもおかしくない」

彼の刺激的な話を一通り聞いたところで気になったことがありました。

「この国は住みにくい国だよ。能力がある人じゃないとものすごい家賃にも立ちうちできないだろう」

「競争が激しいのはどこも一緒だけど、この「公平な国」シンガポールでは実力、結果がすべてだ。正直気を抜くこともかなわないよ」

この話を聞いた僕はそろそろシンガポールという国がどういう国なのかを少しばかり想像できるような気がしました。

Airbnbを通じて出会ったマレーシア在住シンガポール人の話

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Joeの住むマレーシア=ペナンの高級コンドミアム37階から

「もう僕はここ(マレーシア=ペナン)でゆっくりすることにしたよ」

そう話してくれたのはシンガポール人のJoe。見た目は30代ですが、実年齢は42歳という彼。彼との出会いもAirbnbでした。

「あの国(シンガポール)は本当にいそがしい。僕は仕事をしなくても生活できるくらいの蓄えと、シンガポールでの不動産収入があるから早めにリタイアしたんだ。」

彼が住むのはペナンの高給コンドミニアム。恐ろしいほど綺麗なタワーマンションに住む彼はとびきり素敵な笑顔と人懐っこさ、何より日本が大好きであるのを隠さない。

「僕は日本が大好きだよ。あの国のカルチャー、特に刺身だね。あとは居酒屋のような雰囲気も好き」

「でも日本語がわからない僕には訪日はかなりハードルが高かったよ、ほとんどの日本人が英語を話さないからね。新宿なんて迷路だよ。(笑)」

そんな彼に母国シンガポールのことについて聞いてみました。

「シンガポール人は日本人に引けを取らないくらい勤勉だよ。勉強も、仕事も本当に一生懸命なんだ」

「でも、やはりワーカーホリックな点は否めないね。何度も言うけど、せわしない国なんだ」

「僕のルーツは中国系だよ。シンガポールにはマレー系やインド系の人々が住んでいるけど、面々はマレーシアと同様。中華系住民が多いよね。」

「シンガポールはやはりクリーンな国さ。ゴミひとつの扱いについては衆知の通りだけど、やはりアジアの他の国々と比較しても政治的にクリーンだよね。」

マレーシア=ペナンのコンドミニアムの寝室。

マレーシア=ペナンのコンドミニアムの寝室。

そんな彼に、かつてマレーシアの一部であったことを思い切って聞いてみました。

「マレーシアに対してなんらかのリスペクトを欠くつもりはないよ」

「僕らの国が選んだ道は、たしかにマレーシア含めて他の東南アジア諸国とは一線を画すものだったかもしれない。それでいまの経済状況を享受できたのはその選択のおかげかもしれない。」

「でもね、国が発展を望んだために、他のアジアの国々が維持しているゆとりだとか、よく悪くもある種の「付き合い」を大事にする態度みたいなものは少々希薄かもしれないね。働き者の国ではありがちだけど、どうしてもみんなせわしないよね。」

「だから僕はシンガポールでの生活をやめたよ。いまはのんびりとペナンで暮らしている」

「若いころはよく働いたし、本当に夢中になって一生懸命働いたんだ。でも、もういいかな。」

僕のシンガポール所感

三人の話を聞いてみると、そのキーワードに「忙しい国」が抽出できます。

確かに人々は整然としていて、秩序だった様相を見せていて、その姿は日本のそれと大差ないかもしれません。

一方でシンガポールのシティ(日本の丸の内)のあたりを歩く人々の人種は本当に多様であり、みんな自信満々に颯爽と街を闊歩する様子に気付ききます。

街で聞こえるのは英語ばかり。白人も黒人もアジア人も、性別に関係なくパワーを感じさせられます。

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それでも市街地を外れれば、そこはThe 東南アジアの様相を存分に残しています。

道に座り込む人々が話すのは中国語。チキンライスをみんなでほおばる人々が話すのも中国語。

通りを外れたところで寝っ転がるのは浅黒い肌をしたインド人。

チャイナドレスを売るおみやげ屋さんのオーナーはマレー系女性だったり。

シティとはまた一味違いますが、あらゆる人種が共生しているのがここシンガポールです。

物価が高いとはいえ、チキンライスは安いし、タクシーだって日本の価格よりだいぶ安い。

交通網も盤石で、何より治安が悪い様子が一切ない。

観光地としてのカジノやマリーナベイサンズも非常に豪奢で、観光客としてはすごく居心地のいい国です。

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チャンギ国際空港にて

でもシンガポールで暮らしている人々、あるいはシンガポール人が抱く、シンガポールのイメージは必ずしもいいものばかりではないようですね。

シンガポールは勤勉な人に対しては平等にチャンスを与え、彼らをより高みへと導くインフラが整っているのに。

シンガポールはつまらないのか?

シンガポールはつまらない国なのかどうかの結論。

観光客にとっては治安が良く、カジノにリゾート、国際的なイベント等の魅力に加え、リトルインディアやアラブストリートなどの各民族コミュニティが独自の文化を残している地域もあるので非常に面白いでしょう。

英国植民地時代のコロニアル様式の建造物やショッピングモール(イオンとは全然違う)もあり、成熟した都市であり、さらなる経済発展が見込めるシンガポール。

街を歩けば多様性と、人々のパワーが感じられること間違いないでしょう。

それでも、光と影の議論ではありませんが、ビジネスマンや、シンガポールに長く暮らしていた人々の印象は180度違うものになるようです。

それは僕が聞いた話だけでなく、この国のビジョンや有名な「ポイ捨て罰金」の噂からも感じられることでしょう。

ちなみに1回目のシンガポール訪問で印象的だった光景があります。

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世界的に評価の高いチャンギ国際空港

チャンギ国際空港へ向かう電車の中でのこと。下校途中の中学生らしき集団と同じ車両に居合わせました。

みんな同じ制服を着て、楽しそうに話しているのですが、一つだけ気になる点がありました。

それは、集団の中でもさら肌の色や話す言葉に細分化されていること。

浅黒いグループには黄色人種はおらず、中国語を話す女の子のグループのなかにはスカーフを身にまとう女の子がいないのです。

良いか悪いかではありません。多国籍多民族が正義だとは思いません。

しかし、同じ制服を着ているならそんなの関係なしにわいわいやっているオーストラリア=メルボルンの生徒とは全く異色なだけです。

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